カテゴリー別アーカイブ: 医学

妊娠前と妊娠中の葉酸

妊娠前と妊娠中の葉酸 (folic acid)

葉酸はビタミンB類の一種で、DNAの生合成に強く関わっています。

日本人の食事摂取基準(2015年版)によると成人(18~29 歳)の推定平均必要量は200μg/日、推奨量は、240μg/日です。ただし、妊娠中は需要が増大するので、さらに240μg/日(付加量推奨量)を追加しましょう。

妊娠中の葉酸の補充が重要である理由は、神経管閉鎖障害が予防できるからです。 続きを読む

goukaku

第8回 小児科専門医試験 2014年の記録

第8回(2014年) 小児科専門医試験を受けてきました。

病院によっては近くに試験を受けた人がいなくて、どんな試験であったか話を聞けない場合もあると思いますので、第9回(2015年) 小児科専門医試験を受ける人のためにも少し記録として残しておきます。

受験票が届くまで

受験資格

当然ですが、小児科専門医を受けるためには、受験資格と受験の申し込みが必要です。

受験資格としては

  • 2014 年 8 月 31 日までに,会員歴が連続 3 年以上,もしくは通算 5 年以上である者.
  • 2004 年以降の医師国家試験合格者で,2 年間の卒後臨床研修を修了後,学会の指定した研修施設(研修施設が予め登録した関連施設を含む)において 2014 年 8 月 31 日までに 3 年以上の研修を修了,または修了見込みの者.

とあります。要は、後期研修医になる時に普通に学会に加入していれば、3年間の研修を終えた時には施設に問題なければ受験資格があることになります。施設が専門医研修施設かどうかは、小児科学会のホームページ (要ログイン)で調べることができます。

出願までの流れ

2014年の書類について説明しています。2015年に必要な書類が同じであるとは限らないので、必ず小児科学会の公式資料で確認しましょう。

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beans

成人・小児のGFR計算式

eGFR(推定糸球体濾過量) または CCr(クレアチニンクリアランス) が 腎機能の評価に使われます。

しかし、計算式にはいろいろなものがあり、大変わかりにくくなっているのでまとめておきます。

Cockcroft-GaultのCCr計算式

臨床現場でもよく利用されている式です。原典はCockcroft D W & Gault M H. Prediction of creatinine clearance from serum creatinine. Nephron 16:31-41,1976.です。18歳から92歳の249人を対象として求めらた式です。

体表面積1.73m2を基準にしているので特に小柄な人では値がずれやすいのに要注意です。また、Jaffé法(後述)を使用しています。

男性:   女性: 

この式で求めるのはeGFRでなくCCrです。クレアチニンは(イヌリンと違い)尿細管からの分泌を受けるため、厳密に言うと糸球体濾過量+αの排泄があります。そのため、GFRよりCCrの方が少し大きな値になります。CCrをeGFRに変換する数式としては、Leveyの補正を用います。

MDRD

MDRDはModification of Diet in Renal Diseaseの略です。 続きを読む

LMS法について

近年、年齢ごとの標準値などを考える際に、LMS法という統計手法が用いられることが多くなっています。

従来の正規分布の考えと、その考え方からなぜLMS法が生まれてきたかを解説します。

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経口セフェムメモ

自分用に薬の使い分けメモを書いていく。

いちおういろいろ調べて書いてますが無保証です。臨床で使われる方はご自分でも調べて使ってください。

第1世代

腸球菌(Enterococcus)をのぞくグラム陽性球菌・E. coliなど

  • Cefalexin [CEX] (ケフレックス)
  • Cefaclor [CCL] (ケフラール)

使い分け

  • CEXは扁桃腺への移行がCCLより悪い
  • CEXはおいてない病院・薬局が多い(らしい)
  • CEXは腸球菌への適応がなぜか通っている(もちろんセフェムなので使わないのが無難だと・・・)
  • CCLは吸収率がCEXより悪い(同量だと血中濃度が低くなる)
  • CCLはH. influenzaeに効果あり。ただし、β-lactamase産生菌には無効。
  • CCLは他のβラクタム系と比較してアナフィラキシーの頻度が10倍以上高い。
  • 第3世代(CFDN, CFPN-PI, CDTR-PI)と比較して常用量が多い(CDPN-PI 9mg/kg/day に対して CCL 30mg/kg/day)→少々MICで劣っていても血中濃度は高くなるので、感受性のあるMSSA, E.coliなら優位かも

第2世代

腸内細菌に強くなった代わりにグラム陽性菌に弱くなった。インフルエンザ菌に効く。

  • Cefotiam [CTM] (パンスポリン)
  • Cefuroxime Axetil [CXM-AX] (オラセフ)

使い分け

  • あんまりどっちも使わないからわかんない

第3世代

より広くなった。髄液移行性がよくなった。

  • Cefdinir [CFDN] (セフゾン)
  • Cefcapene Pivoxil [CFPN-PI] (フロモックス)
  • Cefditoren Pivoxil [CDTR-PI] (メイアクト)

使い分け

  • CFDNはスペクトラムがちょっと狭い。
  • というかCFDNって第2世代じゃなかったの?
  • CFPN-PIは淋菌への適応がある。
  • CFPN-PI・CDTR-PIはそれほど耐性でないPRSP・BLNARにも効果がある。
  • CDTR-PIは牛乳アレルギーの人には使えない。→最近のは大丈夫

その他

FRPM (ファロム)

  • PRSPに有効.

医療における単位メモ

なんかいっつも覚えにくいなぁと思っていたのでメモっておく

フレンチ

カテーテルの外径・シースの内径の単位。FrとかFと略す。導尿・経管栄養(NGT)・気管内吸引・心カテなどいろんなところで大活躍。考えた人:フランス人のJoseph-Frédéric-Benoît Charrièreさん。19世紀パリの医療機器メーカーの人。フランスでは「フレンチ」ではなくCharriere (略号はCh)という名前で呼ばれるらしい。

1 Fr ≒ 1/3 mm。すなわち、6 Fr = 2 mm。15 Fr = 5 mm。

ソース:French Catheter scale (Wikipedia en) とかもろもろ。

ゲージ

注射針の外径や針の太さ。CV/PIカテーテルでは外形にも内径にも用いられます。新生児に使う27GのダブルルーメンPIカテーテルもあれば透析に使う16G針まで。もっと太いCVカテーテルでは上記のFr表記が用いられることがあります。

正式名称はBirmingham Wire Gauge (またはStubs Iron Wire Gauge)。イギリス生まれの単位。Gと略す。

数字が大きいゲージほど細いです。念のため。24Gより16Gのほうが太いです。

1ゲージ大きくなったからこれだけ細くなりますよ、ってのはない(not correspond to a particular mathematical pattern)らしい。Wikipediaさんには医学においてはXX G = 1/XX inchと近似することもありますよなんてことを書いてあるけどびっくりするほどかけ離れた値が出るのであてにならない。おとなしく変換表を見たほうが安全そう。

まぁフレンチと違って「0.2mm」とか言われても細すぎてあんまり実感がわかないけど、変換表を見ればサイズは分かると。色で覚えたほうが安心安全そう。

ソース:  Needle gauge comparison chart (Wikipedia en)

挿管チューブ

単位はmm。実に分かりやすくていいですね。

超低出生体重児に使う2.0mmから成人男性に使う9.0mmまで、0.5mm刻みで製造されています。

添付文書にI.D.と記載があるので内径なのでしょう。

喉頭鏡のサイズ0とかサイズ1とかはどうやって決まってるかはよくわかりませんでした。

縫い糸

一番細い糸を#1、太い糸を#6をまず決めたが、技術の進歩でより細い糸を作れるようになり、#1より細い糸を#0, #00(=2-0), #000(=3-0)…と呼ぶようになったとのこと。サイズ一覧表

気圧単位系

血圧はmmHg(ミリメートル水銀柱)。1気圧 = 760mmHg。他分野ではどんどん他の単位への置き換えが進んでいる古い単位だけど、血圧に関してはしばらくは使う続けられると。「血圧 200/160 ヘクトパスカル」とか言われても 高いんだか低いんだかわからないし。

呼吸関係はcmH2OかkPa。1気圧≒1030 cmH2O≒101 kPa。10cmH2O ≒1 kPa。PEEPやPIPなど呼吸器の設定では未だにcmH2Oが多い。計量法に従っている吸引器や麻酔器などでは基本的にSI単位系であるkPaをちゃんと使用しているはず(cmH2Oを併記しているものもあります)。

クレアチニンとGFRの推定(成人・小児)

この投稿の内容はやや古くなっています。新しい記事をご参照ください

計算(医療計算機)

CCr, eGFR(成人)

Schwartzなど小児

蓄尿から

Cockcroft-GaultのCCr計算式

Ccr = {(140-Age) x Wt(kg)} / { 72 x Cre[mg/dL]} ( 女性は x 0.85)

日本人のためのGFR推定式(2008年日本腎臓学会)

GFR(ml/min/1.73m2) = 194 x Age-0.287 x Cre-1.094 (女性は x 0.739 Cre: 酵素法)

Schwartzの式(小児)

GFR(ml/min/1.73m2) = k x Ht[cm] / Cre[mg/dL] (Cre: Jaffé法)

k
1歳以下(低出生体重児) 0.33
1歳以下(正常出生体重児) 0.45
2~12 0.55
13~21歳男 0.70
13~21歳女 0.55

ただし、Jaffé法のCre = 酵素法のCre + 0.2

小児の正常GFR

年齢 平均GFR mL/分/1.73m2
13日(男児・女児) 20±5
414日(男児・女児) 37±7
28週(男児・女児) 66±25
8週~2歳(男児・女児) 96±22
212歳(男児・女児) 133±27
1321歳(男児) 140±30
1321歳(女児) 126±22

小児の正常血清CrJaffé法)

年齢(歳) 男児 女児
1 0.40.30.6 0.40.30.6
2 0.40.30.6 0.40.30.6
3 0.50.30.7 0.40.40.7
4 0.50.30.7 0.50.40.7
5 0.50.30.7 0.50.40.8
6 0.50.40.7 0.50.40.8
7 0.60.40.7 0.50.40.8
8 0.60.40.7 0.60.40.8
9 0.60.40.8 0.60.40.8
10 0.60.40.8 0.60.40.8
11 0.60.40.8 0.60.40.8
12 0.70.50.8 0.60.40.9
13 0.70.50.9 0.60.40.9
14 0.80.60.9 0.70.40.9
15 0.80.61.0 0.70.51.0
16 0.90.71.0 0.70.51.0
17 0.90.71.1 0.80.51.1
成人 1.050.81.3 0.80.61.0

参考文献:

日本腎臓学会編(09年)/ガイドライン 第16章 小児CKDの診 http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0067/1/0067_G0000189_0142.html